2017年5月9日火曜日

【第二章:スズと風のサーカス団シルフ 四・五】とブラックロック・シティの話!(๑•ω•́ฅ✧


Victor Habchy Photographyさん(@victorhabchy)がシェアした投稿 -

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まるでダリの絵画のよう!夢と現実の境目がわからなくなる、バーニングマン会場の素晴らしい写真


http://karapaia.com/archives/52237795.html



『バーニングマン』(ブラックロック・シティ)はね、

前から知ってはいたんですけど、この方の写真。


ツボすぎて「あああああもう!! ここはリアル不思議の国かぁ!!」
って叫びたいくらい好きな光景が、現実に存在しててどうしたらいいか解らない。


でも行きたいけど行けない。

遊びに行くというよりは生命の表現のために生き抜くというお祭りなので、
実際行くのはもの凄く大変そうだから、こうして写真とかを
眺めさせていただけるだけでも幸せです(TェT)♥。+.。゚:;。+


もし行けるのなら経験豊かな旅のプロにゆだねたい。(^ェ^);




以下、 【第二章:スズと風のサーカス団シルフ 四・五】です。
今回も、ちょっと長いので裏話はまた次回!(๑•ω•́ฅ✧






☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ 



 【第二章:スズと風のサーカス団シルフ 四】

スズは一遍に彼ら全員のファンになってしまった。

何度も頷きながら、彼らに向かって拍手を送り続けていたが、
ふと、やけに静かな事に気づいて周りを見渡すと、
女性はもとより男性ネコたちも見惚れるようにボーっとしていた。

どうやら一番人気は、やはり団長のブラック・ミストらしい。

「ブラッドの魔術は相変わらずキレがあるなぁ……。
解っててもだまされちゃう。ん? 
ああ、“ブラッド”っていうのはね、彼の愛称。
っていうか本名か。ブラック・ミストの方が芸名なんだ」 

ギンコがこう答えているうちに、また人垣、
いやネコ垣の端のほうから歓声があがり始めた。
どうやらシルフのメンバーが時計回りに歩きながら、
観客に挨拶をしているようだ。

観客全体のちょうど中央あたりにいるスズたちは、
背伸びをしたり、首を伸ばしたりしてメンバーの訪れを待った。
やがて、一番最初に姿を現した、
“フーカ”と呼ばれた少女が目に映った。

「風花《フーカ》! こっち、こっち!!」
ギンコが仮面の口元に右手をあて、
左手を高くブンブン振りながら叫んだ。
その声は歓声にかき消されそうだったが、
彼女は一瞬耳で拾った声に反応したようだった。

笑顔で観客の握手やハイタッチなどに答えながらも、
目は素早くこちらのほうを見回して何かを捕らえようとしている。
足は次第に早足になってきた。

そしてとうとう、ギンコの仮面と目が合うと、
大きな目をさらに見開いて、満面の笑顔を浮かべた。

「お兄ちゃん!! うそ、久しぶり!!」

左手で間にいる観客たちとタッチしながらも、
フーカはギンコのほうに駆け寄ってきた。
そして少しだけ前に出たギンコの胸元に飛び込んだ。

ギンコは走ってきたフーカを受け止め、
持ち上げるように抱きしめると、
くるりと小さく回転して彼女を降ろした。
カーネーションの花のようなスカートが、
ふわりと風を受けて広がった。

「久しぶり、フーカ。またちょっと重くなったんじゃない?」
ギンコがふざけて、しかし嬉しそうにいうと、
「重くなったんじゃないです、成長してるんです」
と言いながらフーカがギンコのわき腹に小さくパンチをした。
しかしこちらも顔は嬉しそうに笑っている。

(兄妹だったんだ……じゃあ彼女も人間、マレビトなんだ)
似てるかどうかはよく解らないけど、確かに美男美女だし。
とスズが心の中で納得していると、
「彼がね、本物の妖精だと思ったって」とスズを引っ張りながら、
ギンコが唐突にさっきの話を持ち出した。

スズが仮面の中で真っ赤になって黙っていると、
フーカがちょっと驚いたように、
そして少し照れたように二人の顔を見比べながら答えた。

「誰? 地元の新人さんかな? ありがとう! えーと……」
世界中のありとあらゆる美しい植物の緑を集めたような、
深く吸い込まれるような色の瞳でスズの顔を覗き込む。
唇は柔らかなピンクの薔薇の花びらのようだ。

「あ、名前はね、“スズ”って言うの。
あっちでみんなに紹介するよ。
ボクはブラッドや老師と話があるからさ、
それにもうシエスタの時間だし。
限界、限界。あとでテントの中でも案内してあげて」

ギンコが(たぶん)あくびをしながら、安心したように言うと、
フーカは左の片眉をあげて呆れるように笑った。

「ハイハイ。お兄ちゃんは相変わらずお昼寝しないとダメなんだね。
じゃあスズ、あとで。よろしくね!」

フーカが手を振りながら笑顔で駆け抜けていった。

地球でもアイドル級かそれ以上に可愛い女の子に出会える事自体が
マレなのに、その上そんな子と知り合いになれるなんて。

それだけでもこの世界に飛んできて良かった。

そんな思いで去ってゆく彼女の後ろ姿を見つめながら、
スズは小さく手を振り続けた。




【第二章:スズと風のサーカス団シルフ 五】


しばらくボーっとフーカの走り去った方を見ていたスズの肩に、
ポンと手が置かれた。

「もし、フーカとこの世界で結婚して一生愛しぬくなら許すけど、
手を出しておいて地球に一人で帰る、とかだったら許さないから。
そのつもりで、ね?」

いつもと口調は同じだが、仮面の中から発せられる空気は別物の
ギンコからの脅迫めいたメッセージでスズは我に返った。

「……あ、ハイ」
すいませんでした、と心の中でなぜか謝ってしまってから、
そんないきなり結婚とか言われてもまだ中学生だしといった
いろんな楽しい妄想がスズの頭の中を駆け巡っているうちに、
シルフの他のメンバーが現れ始めた。

ぴょんぴょんと跳ねるように出てきたのは、
リンクと呼ばれていた子ネコだ。

「にゃっ!? ギンコにゃ! にゃんでここにいるにゃ!」

そう言ったリンクをひょいと持ち上げると、
高い高いをしながらギンコは嬉しそうにこう答えた。

「ちょっと先回りをさせてもらってね。
リンクは相変わらず小っちゃくって可愛いなあ!」

するとリンクはちょっとムッとし、
「育ち盛りニャ! まだまだこれから大きくなるニャ!!」
とバタバタして、地上に降ろされると走って行ってしまった。

その後すぐに現れたのは、王虎《オウコ》と呼ばれた、
身長二メートルを軽く越す虎の大男だった。

「おおギンコ! お前も風の国に来てたのか。久しぶりだな……」
とギンコと二人、手をがっしりと組みながら話していると、
オウコに向かって後ろからどーんと抱きつくようにして、
華羅《カラ》と呼ばれた美女が現れた。

「やだ、ギンコじゃないの久しぶり! なんでここに……」
と言いかけて、ふとスズの方を見た。

「……なるほど。ふぅん、やっぱりセン様の占いは完璧ね。
後で紹介してね! 坊やもよろしくね! さ、行くわよダーリン♪」

そう言うと、何が何だか解らない、
という顔のオウコを押すようにして前に進んでいった。

するとギンコたちの場所から少し離れた所にいる、
エッジと呼ばれていた鼻メガネをかけた狐のネコタミが、
大きな耳をピクリと震わせてこちらの方を見た。

隣にいるマルコというライオンのネコタミに耳打ちすると、
マルコはこちらをじっと見つめ、肩の上に乗っている
赤い冠羽を持つカラスのような黒い鳥に話しかけた。

カラスのような鳥は「心底めんどくさい」というような素振りで
さらに後方にいる、老師と呼ばれていたお爺さんネコのテンと、
ハチワレ・タキシードの団長ブラッドの元へ飛んでいった。

「やあ久しぶり、ギンコ。元気だったかい?」
細く鋭い目をより細くして、狐のネコタミ、エッジは微笑んだ。

「さすが師匠、耳が良いね」
ギンコが笑ってエッジとハグをした。

「この人はね、ボクのナイフ投げの師匠。
もっともボクが得意なのは――」

「弓なのだ。ギンコのナイフと弓の腕前では、
頭に載せて良いのが、リンゴかチェリーか程は違う」
静かに笑い、ギンコの頭をくしゃくしゃとしながら
ライオンのネコタミ、片眼鏡のマルコが言い添えた。

「じゃあ後で」「後でな」
二人がそう言いながら静かに立ち去った。
周囲の観客の女性陣営は、まったく静かじゃなかったが。

その後、カラスのようなあの黒い鳥がもの凄いスピードで
飛んで帰って来て、二人の直前でほんの少しだけ高度を上げ、
マルコの肩にふわっと音もなく着地した。

その鳥が目の前を通る際、「よう、猿の子孫!」
と、しゃがれた成人男性の声が聞こえた気がしたが、
気のせいだとスズは思うことにした。


最後に現れたのは老師テンと団長ブラッドだった。

「久しぶりじゃな、ギンコ」
との声が聞こえる前にギンコは
ものすごく綺麗な九十度のお辞儀をしていた。

「お久しぶりです、老師!!」
心なしかギンコの声が震えている。

「まあまあ、そう畏まらずとも良い。後でな。少年、君も」
ふぉっふぉっふぉっ、とヒゲをさすりながらテンは去っていった。

「あー、怖かった」と小さくつぶやくギンコに、
笑いを含んだ若く、魅力的な声が掛けられる。

「本当に君がミズサキ《案内人》で大丈夫かなぁ? 
ギンコ。しっかりね。
新しい世界には慣れたかな? どうぞよろしく」

そう言いながらスズに手を差し出してきたのはブラッド、
この風の国のサーカス団、シルフの団長だ。

スズは驚き、そして一度ギンコのほうを見て、
頷かれたので照れつつも手を差し出した。

握手をしながらブラッドは
「君のその服、袖の飾りで見えにくいけれど、
バレてはいけない所では手にも気をつけるようにね。
我々ネコタミのように見える手袋もあるから」
と、スズの耳元でそっとささやいた。

言われてみれば、とスズは驚いて手を引いた。
ヒラヒラとした布飾りのせいで一見目立たないが、
握手をすれば一度でバレるだろう。

最初に気づかれたのがこの人で良かった、
と思うと同時に、ギンコのほうを見ると、
「あ、そっか。ゴメンゴメン。
たぶんレオナたちは荷物に入れてくれてると思うけど……。
まあそんなとこまで見てるネコタミなんてそんないないよ!」
とあっけらかんと答えられた。
そういうギンコが振る手には隠すように覆う手甲がある。

こちらの世界に来て早々すでに何度か思ったし、
ブラッドも言ったことだが、スズは改めて
「この人で大丈夫だろうか」と、固く手を握り締めながら考えた。

「まあ、何にせよこれからよろしく。ではまた後で、ギンコ」
笑顔ですれ違いざま、ギンコとハイタッチして
ブラッドは風のように爽やかに去っていった。

「なんで解ったんだろう……オレのこと……」

スズが不思議そうにつぶやくと、ギンコは
「見えたりするらしいんだよね、神眼や魔力の持ち主には」
と答えた。

それが何を意味するのかは解らなかったが、ひとまず頷いておいた。
この際きちんと知りたいことは後でブラッドさんに聞こう。

そうこうしているうちに、観客一周のサービスは終わったらしい。
フーカから順番に、またあの猫型大型車の階段を昇り始めた。

それぞれ段上でお辞儀や挨拶をして、車の中に乗り込んでゆき、
最後にブラッドが大きく、金のステッキを胸にあてて礼をすると、
階段になっていた出入り口がゆっくりと閉まっていった。

そして再びあの奇妙な音楽を流しながら、
ハチワレ・ブラック号は白いテントの裏側に廻っていった。

観客たちは満足げな顔で、わらわらと商店街のほうへ帰っていく。
道化師姿の何人かのネコは、その場に残り屋台などの準備を
しているが、ほとんどは大人しく家路についているようだ。

「さ、僕らは目立たないように。こっちこっち!」
ギンコが観客の流れから離れてテントの裏側へと案内する。

数分かけてテントの周りを半周すると、そこからやや遠くの森の
空き地に、あのネコ型自動車が停められているのが確認できた。

階段状の入り口は、スズたちを歓迎するようにすでに開かれている。




☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ 










Nekotamibnneko