Nekotamibnneko

2017年6月3日土曜日

【第二章:スズと風のサーカス団シルフ 十一】寄付ネックレスとか動物実験反対キャンペーンについてとか!







[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]
チャリティミサンガ from 石巻【楽ギフ_包装】
価格:3780円(税込、送料別) (2017/6/2時点)


上記のキャットネックレス、Lサイズが一点に付き千円、
Sサイズが一点に付き500円、『※アニマルクラブ石巻』さんへ

寄付していただけるそうです♪(*´ω`*)♥。+.。゚:;。+


(※宮城県石巻を中心に活動されているボランティアグループさんです。)



ミサンガは、
石巻の女性たちが手作りする東日本大震災チャリティミサンガ』だそうです。
どちらもチャリティや寄付かつ、良いデザインで素敵ですね♪(^ェ^)



そして、

 ザ・ボディショップの、化粧品の動物実験反対キャンペーン特集

 に、良かったら、ご署名にご協力をお願いいたします!(๑•ω•́ฅ✧


ってでもね、この署名のページ、クッキーの使用がなんたらって
英語でメッセージが出るだけで、あと真っ白になっちゃうんですけど?(TェT);

署名したくてもできない……(-ェ-);

ん? ってでも今公開した自分の日記からのリンクでは署名できました!
何だったんだろう?(^ェ^);


お近くのボディショップさんでも署名できるようなので、
動物を愛する皆様、どうぞよろしくお願いいたします。(^ェ^)。+.。゚:;。+




以下、【第二章:スズと風のサーカス団シルフ 十一】となります。






☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ 




【第二章:スズと風のサーカス団シルフ 十一】
 


がくん、と左手に全体重の負荷がかかり、フーカは我に返る。
「っつ……」

スズは彼女の左手を片手で掴んでいた。

目は離さなかった。
だから彼女が、わざとではないが、
何かに気をとられてバランスを崩したのも見ていた。

すぐにもう一方の手も掴み直してくれるだろうと思っていたスズは、
開いた右手を差し伸べて彼女の様子を伺った。
そういえば、いつまで離さなければ
『合格』なのかは聞いていなかった。

フーカの右手には、金色の細い鎖の一部がかろうじて握られている。
幸運にも、切れた鎖の先では
止め具に引っかかったロケットが揺れていた。
だが、手繰り寄せよるために少しでも指を動かせば、
それはするりと鎖を抜けて落下してしまいそうだ。

スズの目からは、それはフーカのスカートに遮られて見えない。

「……離してよ、今のは私のミス……」
じれったそうにフーカがつぶやく。

スズは思いのほか強い力でフーカの腕を支えている。
彼に手を離して欲しい理由は説明したくなかった。

フーカは一瞬思いつめたような顔をして、
スズの手を掴んでいる左手の力を抜いた。

その瞬間スズの手の中で、彼女の左手を肘まで
覆っていた手袋が、するりと抜け落ちる感覚がした。

驚いたスズは、思わず両手でフーカの腕を掴んだ。
そして目にしたのは、彼女の腕に残る、無数の古い傷跡だった。

一瞬、目を逸らすことさえ忘れたが、スズは改めて、
しっかりとフーカの腕を握った。

そして思った。

自分と同じだ。何で気がつけないんだろう。
目の前の相手が、笑いながら傷ついてることもあるんだってことを。


「――さっきはごめん、オレ、……君のこと、
何も知らないのに決めつけてた。

オレ……オレは、君からしたら
バカみたいに思えるかもしれないけど、
あっちにいる時は、毎日ただ周りと上手くやるために
笑ったり、笑わせて……友達なんだよ。
だけど弱みを握られたら、いきなりいじめられることもあってさ、
だから自分がバカにされないために他の誰かをバカにして……
目立っちゃダメなんだよ、でもダサくてもダメなんだよ。

だから……あああ何言ってるのか解んないよな、
オレにも上手く説明できないんだけど、
何ていうか……でもそれって、
オレがオレじゃなくても良いって気がしてて……」

言いながら、汗で手が滑ってきた。

「このままただ帰ったら、オレたぶん何も変われなくて。
生きてはいけるよ、でもそれ、
たぶんオレがオレでいる意味がないんだよ。
だから、きっかけが欲しいんだ、何か解らないけど、
それが解るまで、もう少しこの世界に……」

腕が痙攣してきた。
それでも歯を食いしばるスズを見上げて、フーカは思う。

自分と同じだ。何で気がつけないんだろう。
触れられたくないほど深い傷なんて、
誰だって隠して何でもないって顔をするに決まってる。


「だから、絶対に離さない!!」
真っ直ぐにフーカの目を見て、スズは叫んだ。

彼には彼の理由があるのだ。
必死でこの新しい可能性にしがみつこうとしている。
自分の世界を変えるために。

(……もし、これが本番だったら。私はきっと……)

ちらりと下を見る。
重なった落下防止用のネットの網目は適度にずらされて、
細かなものでも下に直接落ちることのないように作られている。

(ロケットにはかまわず、演技を続けたはず)
フーカは一度目をつぶり、金の鎖をそっと指から離した。

「ほんとに何言ってるのか、解んないよ……」

そして開いた右手で、スズの腕を掴んだ。

スズは驚いてフーカを見つめると、食いしばっていた歯を緩め、
フーカの右手を掴みなおすためにさらに身を乗り出した。

そのとたん、ズルリと二人の体が一段下に下がった。

「……あー……足首……」
嫌な予感にスズが半笑いになる。

「引っ掛けろって言われてた……よね?」
足首はおろか膝ももう、引っ掛けるには無理な場所に移動していた。

「……バカー!!!!!」
フーカの絶叫がテント内に響いた。


ボヨーン!! と、ビターン!! というような、
不可思議な音を重ねて二人はごちゃっと落下した。

反射的にいつもの安全な落下ポーズを取ろうとしたフーカに対して、
スズはそれでも手を離さなかったためだ。

「……バカじゃないの!?
落ちる時まで手ぇ離さなかったら危ないでしょ!!」
額を押さえながらフーカが叫んだ。

「……認めたよね、今」
スズがむっくりと起き上がった。

「手、離さなかったよね、オレ。合格!」
そして鼻血を二筋流しながら、にっと微笑んだ。

「スズ!! 鼻血! 両方から出てるニャっ!!」
救急箱を持って駆け寄ってきたリンクが青ざめて叫ぶ。

「…………。……プッ。
あはは、ほんとにバカだ、こいつ!!」
フーカがお腹を抱えて笑い出した。

スズも跳ねてきたリンクに鼻栓をされながら笑った。


観客席の入り口には、そんな様子を
微笑ましく見守る二人の姿があった。

「これが、ギンコの言っていた、“意味”でしょうかね?」
ブラッドが笑う。

「さてなぁ、それも神のみぞ知る、じゃろうて」
老師、テンも愉快そうに笑う。

「じゃが、ワシとしては少々お灸をすえてやらねばならんの」
キリリと顔を引き締めて、テンがまとうオーラを変化させた。

やれやれ、という風にブラッドは片眉をあげて、
くるりとステッキを回す。
「これから騒がしくなりそうだ」


殺気のような物を感じたネットの上の三人は、
観客席のテンに気が付き、ちょっと歪んだ笑顔のまま固まった。




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